2026.06.25

フェルミ推定で面接官が見ているのは、“答え”ではない

はじめに

こんにちは、講師の岡です。

コンサル転職を目指す方とお話ししていると、

「フェルミ推定って、答えが全然わかりません。」
「数字が苦手なので、不利ですよね。」

という相談をよく受けます。

確かに、突然

「日本にある自動販売機は何台ありますか?」
「東京の美容室の市場規模を推定してください。」

と聞かれれば、多くの方は焦ってしまいます。

しかし、安心してください。
フェルミ推定で評価されるのは、「正しい数字を当てること」ではありません。
むしろ、面接官は最初から「正解は出ない」と分かった上で質問しています。

では、一体何を見ているのでしょうか。

面接官は「思考の実況中継」を見ている

フェルミ推定は、未知の問題にどう向き合うかを見る試験です。

つまり、
 ・どのように問題を分解するか
 ・どんな前提を置くか
 ・その前提に妥当性があるか
 ・数字に違和感があれば修正できるか
こうした”考えるプロセス”そのものを評価しています。

例えば、
「日本のカフェの数は?」
という問題で、
「5万店舗です。」
だけ答えても評価されません。

一方で、
「人口から考える方法と、駅数から考える方法がありますが、今回は人口ベースで考えます。」
「まず人口を年代別に分けます。」
「利用頻度を仮定すると…」

というように、自分の思考を相手に伝えながら進められる人は、高く評価されます。

コンサルタントは、クライアントに考え方を説明する仕事です。
だからこそ、頭の中だけで考える人ではなく、「考える過程を言語化できる人」が求められるのです。

「間違えること」より、「止まること」が危険

フェルミ推定では、前提が多少ずれていても大きな問題にはなりません。
むしろ評価を落とすのは、
「どう考えればいいかわかりません。」
と言って思考が止まってしまうことです。

実際のコンサルティングでも、最初から十分な情報が揃っていることはほとんどありません。
限られた情報の中で仮説を立て、検証し、必要に応じて修正する。
この繰り返しが仕事の基本になります。

フェルミ推定は、その仕事の進め方を短時間で再現したものと言っても過言ではありません。
つまり、完璧な答えではなく、前に進める力。
これこそが評価されている能力なのです。

面接官との「対話」が評価を左右する

フェルミ推定は、一人で解く試験ではありません。

面接官は途中で、
「その前提はなぜですか?」
「別の切り口はありませんか?」
「もし地方だけで考えたらどうなりますか?」
と質問してきます。

このとき、
自分の考えを柔軟に修正できる人は高く評価されます。
逆に、
最初の仮説に固執してしまう人は、実務でも修正が利かない人だと見られてしまいます。

コンサルタントの仕事では、「仮説を立てる力」と同じくらい、「仮説を捨てる力」も重要なのです。

フェルミ推定は「数字の問題」ではなく「思考の問題」

フェルミ推定というと、数学が得意な人が有利だと思われがちです。
しかし、実際にはそうではありません。

重要なのは、
 ・問題を構造化する力
 ・仮説を立てる力
 ・優先順位をつける力
 ・自分の考えを相手に伝える力
といった、コンサルタントとして必要な思考力です。

だからこそ、フェルミ推定が苦手な方ほど、「数字の練習」を繰り返すよりも、思考の型を身につけることが近道になります。

おわりに

Biz Academyでは、フェルミ推定を「問題集を解くための技術」として教えてはいません。
私たちが重視しているのは、面接官が評価している思考プロセスを再現できるようになること。

つまり、
 ・問題をどう分解するのか
 ・仮説をどう立てるのか
 ・どう言語化して伝えるのか
 ・指摘を受けてどう修正するのか
という、コンサルタントとして本当に求められる思考法を身につけていただくことです。

フェルミ推定は、単なる選考対策ではありません。

その考え方は、コンサルタントになってからも、そして事業会社で意思決定をするときにも役立つ、一生使える「思考の型」です。

答えを当てる練習ではなく、考え方を磨く練習とし取り組むことが、選考突破への最短ルートになるでしょう。

岡 優太

このコラムを書いたメンター

岡 優太Yuta Oka

(博報堂→Biz Architects)

大手広告代理店にて幅広い業種を担当し、プロジェクトマネージャーを歴任。2024年よりBiz Architectsに参画。コンサルだけにとどまらない、本質的な思考の「型」をお伝えします。

大手広告代理店にて幅広い業種を担当し、プロジェクトマネージャーを歴任。2024年よりBiz Architectsに参画。コンサルだけにとどまらない、本質的な思考の「型」をお伝えします。

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