2026.08.20

コンサルでよく聞く「この言葉、どういう意味?」10選

はじめに

こんにちは、講師の岡です。

「このイシューって何でしたっけ?」
「ここ、もう少しブレイクダウンできますか?」

コンサルティングの現場では、独特の言葉が飛び交います。
しかも、ちょっと厄介なのが、どれも何となく意味がわかってしまうこと。

「イシュー=課題かな」
「ブレイクダウン=細かくすることかな」

——このくらいの理解でも、会話自体はなんとなく成立してしまいます。

しかし、実際には用語を正しく理解しているかどうかが、仕事の進め方そのものに影響します。
そこで今回は、コンサルティングの現場で特によく使われる用語を10個に絞って解説します。

「聞いたことはあるけど、実はよくわかっていない」

そんな言葉があれば、ぜひこの機会に整理してみてください。

① イシュードリブン(Issue Driven)

イシュードリブンとは、「今、本当に答えを出すべき問い=イシュー」から考える仕事の進め方です。

例えば、データを片っ端から集めて分析するのではなく、

「今回、何を明らかにすれば意思決定できるのか?」

を最初に考える。

その問いを明確にした上で、必要な情報を集め、分析を進めていきます。

コンサルタントは、すべてを調べることが仕事ではありません。

重要な問いに集中し、最短距離で答えを出す。

それがイシュードリブンの考え方です。

② 仮説ドリブン(Hypothesis Driven)

仮説ドリブンとは、「まず仮の答えを考え、その答えを検証しながら進める」仕事の進め方です。

例えば、

「売上が下がっている原因は、新規顧客の減少ではないか?」

という仮説を立てる。

その上で、

「本当に新規顧客が減っているのか?」
「なぜ減っているのか?」

をデータや調査によって確認します。

最初からすべてを調べるのではなく、仮説を起点に必要な情報を絞り込む。

仮説を立て、検証し、必要に応じて修正する。

これが仮説ドリブンの基本的な考え方です。

③ ブレイクダウン(Breakdown)

ブレイクダウンとは、大きな物事を、より小さな要素に分解することです。

例えば「売上」を、

売上 = 顧客数 × 顧客単価

と分解する。

さらに顧客数を「新規顧客」と「既存顧客」に分ける。

このように分解することで、
「結局、どこを改善すればいいのか?」
が見えやすくなります。

コンサルでは、
「この数字をもう少しブレイクダウンしてみて」
という指示がよくあります。

つまり、「大きな数字や問題を、原因や要素が見えるところまで細かくしてみよう」ということです。

④ MECE(ミーシー)

MECEとは、

「漏れなく、ダブりなく」

という考え方です。

例えば「顧客」を、

 ・20代
 ・30代
 ・会社員
 ・経営者

と分類すると、年齢と職業という異なる軸が混ざっています。
MECEでは、同じ基準で分類することが基本です。

ただし、実務で「完全なMECE」を追い求める必要はありません。

大切なのは、

「重要なものが抜けていないか」「同じものを重複して数えていないか」

を意識することです。

⑤ マイルストン(Milestone)

マイルストンとは、プロジェクトの途中に設定する重要な節目や達成ポイントのことです。

例えば、

 ・基本方針の決定
 ・調査の完了
 ・中間報告
 ・最終提案
 ・プロジェクト完了

などがマイルストンにあたります。

「いつまでに、どの作業を終わらせるか」を管理するWBSに対して、マイルストンは、

「プロジェクトの中で、いつ重要なポイントを通過するのか」

を確認するための目印です。

長期のプロジェクトほど、最終ゴールだけを見るのではなく、途中にマイルストンを設定することが重要になります。

⑥ アジャイル(Agile)

アジャイルとは、最初にすべてを決め切るのではなく、実行と改善を繰り返しながらプロジェクトを進める考え方です。

例えば、新しい施策を始める際に、完璧な計画を立ててから動くのではなく、

「まず小さく始める」
「結果を見る」
「改善する」

というサイクルを繰り返していきます。

コンサルティングでも、プロジェクトの状況やクライアントの課題に応じて、当初の計画を柔軟に見直す場面があります。

「計画通りに進めること」ではなく、より良い成果に近づくために、途中で軌道修正すること。

それがアジャイルの基本的な考え方です。

⑦ クイックウィン(Quick Win)

クイックウィンとは、比較的短期間で成果を出せる施策や取り組みのことです。

例えば、大規模なシステム改革には時間がかかります。

一方で、

「Webサイトの導線を改善する」
「営業資料を見直す」
「既存顧客へのアプローチ方法を変える」

といった施策であれば、比較的早く成果が見える場合があります。

コンサルティングでは、中長期的な改革を進めるだけでなく、早い段階で成果を出すことも重要です。

早期に成果が見えれば、クライアントの納得感やプロジェクトへの期待も高まります。

そのため、

「まずクイックウィンをつくりましょう」

という考え方がよく使われます。

⑧ ボトルネック(Bottleneck)

ボトルネックとは、「全体の成果を制限している最大の要因」です。

例えば、Webサイトへのアクセス数は十分なのに、売上が伸びない。
調べてみると、購入ページでの離脱率が非常に高い。
この場合、購入ページがボトルネックかもしれません。

すべてを改善するのではなく、

「今、一番成果を阻害しているのはどこか?」

を見つける。

これがボトルネックを探すということです。

⑨ WBS(Work Breakdown Structure)

WBSとは、プロジェクトで必要な作業を細かく分解し、整理したものです。

例えば、「新しいWebサイトを制作する」という大きな仕事を、

 ・要件整理
 ・サイト設計
 ・デザイン制作
 ・コンテンツ制作
 ・開発
 ・テスト
 ・公開

と分解していきます。

さらに、それぞれを「誰が担当するのか」「いつまでに行うのか」まで整理します。

大きなプロジェクトほど、やるべきことを整理しなければ、抜け漏れや遅延が発生します。

「プロジェクトを進めるために、必要な作業を見える化する」

それがWBSの役割です。

⑩ PMO(Project Management Office)

PMOとは、プロジェクト全体が円滑に進むよう、プロジェクトマネジメントを支援する役割や組織のことです。

具体的には、

 ・スケジュール管理
 ・課題管理
 ・関係者との調整
 ・会議体の運営
 ・プロジェクトの進捗管理

などを担います。

ただし、PMOは単なる「事務局」ではありません。

複数の関係者が関わる大規模なプロジェクトでは、全体を俯瞰し、

「今、どこで問題が起きているのか」
「プロジェクトを前に進めるために何が必要か」

を整理する重要な役割を担います。

コンサルティングの現場では、クライアント企業の大規模プロジェクトに入り、PMOとしてプロジェクト推進を支援するケースも多くあります。

おわりに

今回は、コンサルティングの現場でよく使われる10の用語を紹介しました。

こうして見ると、
「イシュードリブン」「仮説ドリブン」「アジャイル」「ボトルネック」
など、どれも単なる「コンサルっぽい言葉」ではありません。

共通しているのは、

「物事を整理し、考え、意思決定するための言葉」

だということです。

だからこそ、コンサル転職を考えている方にとって大切なのは、用語を暗記することではありません。

例えば、


「この数字をブレイクダウンすると、何が見えてくるか?」
「今、一番のボトルネックは何か?」

と考えてみる。

こうした問いを普段の仕事の中で持つだけでも、コンサルで求められる「考え方」に少しずつ近づいていきます。

コンサル用語を知ることは、コンサルタントの仕事の進め方を知ること。

まずは今回紹介した10個の言葉から、実際の仕事で使ってみてはいかがでしょうか。

岡 優太

このコラムを書いたメンター

岡 優太Yuta Oka

(博報堂→Biz Architects)

大手広告代理店にて幅広い業種を担当し、プロジェクトマネージャーを歴任。2024年よりBiz Architectsに参画。コンサルだけにとどまらない、本質的な思考の「型」をお伝えします。

大手広告代理店にて幅広い業種を担当し、プロジェクトマネージャーを歴任。2024年よりBiz Architectsに参画。コンサルだけにとどまらない、本質的な思考の「型」をお伝えします。

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