はじめに
こんにちは。講師の平野です。
コンサルティング業界への転職を考えていると、
「コンサルタントは、毎日どんな仕事をしているのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
「朝から晩まで会議をしているらしい」 「資料作成に追われて深夜まで働くと聞いた」
そんな断片的な情報はあっても、1日の流れとして具体的にイメージできる情報は、意外と少ないものです。
今回は、コンサルタントの典型的な1日を追いながら、
会議・資料作成・クライアントワークという3つの仕事のリアルを紹介します。

午前:チームでの議論から1日が始まる
コンサルタントの朝は、チームミーティングから始まることが多いです。
多くのプロジェクトでは、朝の30分程度で、
「昨日までに分かったことは何か」
「今日、誰が何を進めるのか」
「クライアントへの報告までに、何を明らかにする必要があるのか」
を確認します。
ここで重要なのは、この会議が単なる「進捗報告の場」ではないということです。
例えば、メンバーが「この分析結果が出ました」と共有すれば、
「その結果から何が言えるのか」「仮説とどう整合するのか」と、その場で議論が始まります。
つまり、コンサルの会議は「考える場」なのです。
事業会社の定例会議のように、報告して終わりではありません。
短い時間の中で論点を整理し、次のアクションまで決め切る。
このスピード感と密度が、コンサルの会議の特徴です。
日中:資料作成は「作業」ではなく「思考」そのもの
会議が終わると、多くの時間を占めるのが分析と資料作成です。
「コンサルタントはパワーポイント職人」と揶揄されることもありますが、
実際の資料作成は、単にスライドを綺麗に整える作業ではありません。
1枚のスライドを作るためには、
「このページで伝えたいメッセージは何か」
「そのメッセージを支える根拠は揃っているか」
「クライアントはこれを見て、意思決定できるか」
を考え抜く必要があります。
例えば「売上減少の要因分析」というスライドを作るとします。
データをグラフにして並べるだけでは、資料にはなりません。
「30代顧客の離反が減少の6割を占めている。だから、この層への施策を最優先すべきだ」
というように、事実から主張への流れを論理的に組み立てて初めて、クライアントを動かす資料になります。
資料作成に時間がかかるのは、手を動かす時間が長いからではなく、
「何を、どの順番で、どう伝えるか」を考える時間が長いからなのです。
午後:クライアントワークで「価値」が試される
午後には、クライアントとの定例会議やディスカッションが入ることが多くなります。
ここがコンサルタントにとって、最も緊張感のある時間です。
クライアントの経営層や部長クラスを前に、分析結果や提案を報告する。
すると、その場で鋭い質問が飛んできます。
「その数字の前提は何か」
「現場の実態と合っていないのではないか」
「他の選択肢は検討したのか」
こうした問いに、その場で論理的に答えられなければ、提案の説得力は一気に失われます。
一方で、クライアントワークは「詰められる場」ではありません。
議論を通じてクライアントの問題意識を深く理解し、
「実は、こちらの課題のほうが本質的なのではないか」と、論点そのものを進化させていく。
この対話の積み重ねこそが、コンサルタントが提供する価値の中心にあります。
会議が終われば、その日の議論をチームに持ち帰り、 翌日に向けて分析や資料を修正する。
この繰り返しでプロジェクトは前に進んでいきます。
1日を貫いているのは「論理的に考える力」
ここまで読んで、気づいた方もいるかもしれません。
朝の会議も、日中の資料作成も、午後のクライアントワークも、
場面は違えど、求められている力は共通しています。
それは、論理的思考力です。
会議では、限られた時間で論点を整理する。 資料作成では、事実から主張への流れを組み立てる。
クライアントワークでは、鋭い問いにその場で筋道を立てて答える。
どの場面でも、「情報を構造化し、筋道を立てて考え、伝える」ことが仕事の土台になっているのです。
逆に言えば、業界知識や資料作成のテクニックは入社後に身につけられますが、
この土台がなければ、どの場面でも苦労することになります。
面接で見られているのも、この「1日」を戦える力
実は、ケース面接やフェルミ推定で試されているのも、まさにこの力です。
面接官は、「正解を当てられるか」を見ているのではありません。
「この人は、朝の会議で議論についてこられるか」 「クライアントの前で、筋道を立てて話せるか」
つまり、コンサルタントの1日を戦い抜ける思考力があるかを見ているのです。
だからこそ、面接対策は「面接を突破するためのテクニック」で終わらせるべきではありません。
論理的に考える力そのものを鍛えることが、 面接の突破にも、入社後の活躍にも、まっすぐつながっていきます。
コンサルタントの1日をイメージできたら、次はその1日を支える思考の「型」を、 実践を通じて身につけていきましょう。
このコラムを書いたメンター
平野 好宏Yoshihiro Hirano
(みずほ銀行→アクセンチュア)
メガバンクにて法人営業に従事した後、大手コンサルティングファームにて金融業界のプロジェクトに多数参画。人材系のベンチャーでは財務責任者として調達や投資業務を担当。課題設定から仮説立案、検証・改善までのプロセスを身につく形でお伝えします。
メガバンクにて法人営業に従事した後、大手コンサルティングファームにて金融業界のプロジェクトに多数参画。人材系のベンチャーでは財務責任者として調達や投資業務を担当。課題設定から仮説立案、検証・改善までのプロセスを身につく形でお伝えします。
